木星の衛星「エウロパ」の茶色い縞は塩?

木星の衛星「エウロパ」の表面には長く伸びた無数の茶色の縞々の筋模様がある。その筋模様の正体は長らくわかっていなかったそうだが、最近の研究でその正体は「海の塩」かも知れないということが分かってきたそうだ。何故真っ白いはずの塩が茶色い色をしているのだろうか?
太陽から遠く離れたエウロパの表面は分厚い氷で覆われている。そこに無数の引っ掻いたような茶色い筋が走っているのが観察できる。さらに、地表から100キロメートルの地下には広大な海が広がっていると考えられており、NASAの探査機「ガリレオ」のデータなどからこれまで表面の筋模様は、その海から噴出した硫黄とマグネシウムを含む化合物によるものと考えられていた。
そんな中、NASAジェット推進研究所のKevin Handさんらは、温度や圧力、そして放射線量を「エウロパ」の表面そっくりに真似た環境を地球上で再現。摂氏マイナス173度に設定された真空中で塩のサンプルを放射線にさらす実験を始めたそうだ。すると、塩が放射線にさらされればさらされるほどより濃い色になっていくことを発見したそうだ。そして塩はガリレオが撮影した画像に見られるような筋模様そっくりの茶色に変色したのだという。実験で変色した塩とエウロパの塩の光の波長を比較してみると、ほぼ同じものになったという。
この実験を経て、茶色いエウロパの筋はおそらく「塩」だということが判明したのだそうだ。この色の濃さの違いを観察することで、エウロパの表面に見られる模様や地下から噴き出した物質がどれだけ古いかを知るのに役立つとみられている。
しかし、1994年から2003年まで木星を観察した探査機「ガリレオ」以降、「エウロパ」の詳しい探査は行われていない。将来の探査機による直接探査が待たれるところだ。