アルミ缶コーヒー

今年の1月30日に、大手化学メーカーの昭和電工が栃木県下の子会社の工場にコーヒー向けアルミニウム缶の製造設備を新設したそうです。顧客については公表されていませんが、業界ではこれがコカ・コーラ向けの施設であることが周知の事実だそうです。
これまで国内のミルク入りコーヒーの容器はほとんどスチール缶でした。なぜなら業界団体が約30年にわたってミルク入り缶飲料でのアルミ缶の使用を自粛するよう要請してきたからです。ミルク入りの缶飲料は致死率の高いボツリヌス菌が繁殖する可能性がありますが、アルミ缶ではそれを発見しにくいそうです。やわらかいアルミの飲料缶は一般的に薄くても強度を保てるように中にガスを入れて内圧を高めています。つまり、元々缶が膨れているため菌が繁殖したことによる缶の膨張を消費者が察知できない恐れがあるのです。製造工場では、缶の底を叩いて音の振動で内部の圧力を測る「打検」で菌が繁殖していないか確認しているそうです。ただ打検はスチール缶のように底が平らでないと難しく、ドーム型にへこんだアルミ缶では確認が困難だとされています。
そんな状況に一石を投じたのがコカ・コーラです。去年の8月には工場の衛生管理の進化を踏まえて業界団体の「申し合わせ事項」が変更され、ミルク入り缶飲料にアルミ缶を使うことが認められやすくなったそうです。しかし、日本コカ・コーラはアルミ缶解禁に先んじて去年の4月頃からアルミ缶コーヒーの販売を始めているのだそうです。今年1月末時点では「ジョージア」の18製品を含む20製品をアルミ缶に切り替えています。この動きが業界全体に広がれば、アルミ缶のみを製造する昭和電工のような缶メーカーにとって追い風となると見られています。

アルミ缶の缶コーヒーが今まで販売されていなかったのはこうした背景があったのですね。